ウォルドルフ人形をご存じですか？

ウォルドルフ人形は、ルドルフ・シュタイナーの教育思想のもとに生まれた人形です。
この人形の本を出版されたスウェーデンのカーリン・ノイシュツさんは、「ウォルドルフ教育の目指すところは、子どもたちが、それぞれ可能な限り多くの面で成長できるように、また各自のユニークな素質が伸びるように助力を与えることなのです。」と言われます。

各地のウォルドルフ・スクール（シュタイナー・スクール）では、羊毛の詰まったシンプルなこの人形で子どもたちが遊んでいます。
子どもは、自分の思う事や喜び、悲しみを友達のこの人形に打ち明けたり、お母さんが妹や弟にするようにお世話をしたり、人形に自分自身を重ね合わせファンタジーの世界に遊んだりしながら、自分の感情や経験を表現する方法を学びます。

ウォルドルフ人形は、スウェーデンでこのお人形に出会った佐々木奈々子先生によって、日本に紹介され、広く知られるようになりました。

ウォルドルフ人形は自然の素材を使ったお人形です。
この人形の中には弾力のある羊毛をしっかり詰めます。子どもが抱いたとき適度の重さがあり、ぬくもりも感じられます。
折り曲げてももとの状態に戻ろうとするので、人形の形がくずれません。
汚れたら洗ってあげることもできます。
肌には綿ジャージを、髪の毛には草木染めの毛糸を使います。

また、目や口も小さく付けます。無表情に見えるその表情は、子どもがうれしい時には一緒に喜んでくれ、悲しい時には一緒に泣いてくれます。ウォルドルフ人形は、その時々の子どもの気持ちを受け止めてくれ、子どもにとって大切なお友達になります。

そして、このお人形はお母さんやおばあさんなどの身近な人が手作りします。
子どもにとって安全な材料で、時間と手をかけ、心をこめてつくったお人形は世界でただ一つのお人形になります。